自然たっぷり。英気に満ちる青森のパワースポットを巡る
自然に満ち溢れる青森県には、「パワースポット」「ヒーリングスポット」と呼ばれる場所が数多く存在します。
その多くは祈りを捧げる場や修行を行う場所であり、地元の人々の信仰のよりどころでもありました。
森や自然に守られるようにして、ひっそりと佇むパワースポットで、心身ともにリフレッシュしませんか。
心の拠りどころ。青森を代表する神社
まずは青森県の歴史を語る上でも欠かせない、県を代表する神社をご紹介します。たくさん方の心の拠りどころとなり、大切にされてきた神社。厳かで神聖な場所で、青森の歴史と文化を感じてみてください。
~善知鳥神社(青森市)~
青森市発祥の歴史を紡ぐ善知鳥神社(うとうじんじゃ)は、青森駅から程近い青森市の中心街にあり、ビルや建物が密集する街なかのオアシスのような神社です。善知鳥神社では、海の神、航海安全の神として知られる宗像三女神を主祭神として祀っています。
境内にはうとう沼と呼ばれる沼があり、街なかに居ながら鯉やカモ、カメなどの生き物たちが悠々と過ごす風景が見られます。また、松尾芭蕉や菅江真澄の歌碑、記念碑なども点在しており、善知鳥神社が青森市の歴史を語る上で重要な場所であったことがうかがえます。
社務所では御守りやおみくじなどが多様に揃っているので、参拝したらぜひ立ち寄ってみてくださいね。
~十和田神社(十和田市)~
十和田神社は、十和田湖の観光拠点となる休屋エリアからほど近い、十和田湖に突き出す中山半島の付け根に位置する神社です。土産店が並ぶ休屋を抜けた先、森の入り口に大きな鳥居が立っていて、参道を進むと立派な杉の木が並んでいます。本殿は苔むした石垣の上にあり、細部までこだわられた彫刻と重厚なしつらえの佇まいに思わず目を奪われます。まさしくパワースポットと思えるような、凝縮されたエネルギーが感じられる場所です。
十和田神社は平安時代の807年に、坂上田村麻呂が東夷征伐の際に日本武尊(ヤマトタケルノミコト)を祀ったのが創建と言われています。また、十和田信仰(水神信仰)の中心として奥ノ院には十和田青龍大権現も祀られています。
十和田神社から十和田湖へ向かう道は2通り。「開運の小径」という散策道では、道の脇の溶岩に開いた穴にそれぞれ「日の神」「天の岩戸」「金の神」「山の神」「火の神」「風の神」が祀られています。もうひとつは「乙女の像」へと抜ける道です。鬱蒼とした森を抜けた先にある十和田湖の風景が、心を癒してくれます。
~櫛引八幡宮(八戸市)~
八戸市にある櫛引八幡宮は、鎌倉時代より南部藩の総鎮守として多くの人々が祈りを捧げてきた由緒ある神社で、国宝や重要文化財などの建物や美術工芸品が数多く所蔵されています。
境内には樹齢数百年を超える老杉が立ち並び、古来より「八幡山」と呼ばれ親しまれていたのだそう。空を突き刺すような背の高い杉によって、櫛引八幡宮が守られているかのようです。
櫛引八幡宮のご利益は勝負運、商売繁盛、縁結びとして知られています。拝殿はとても立派で大きく、拝殿の軒下には干支が描かれた大きな絵馬が飾られていました。境内にはほかにも、脇宮神明宮(天照皇大神)、脇宮春日社(天津児屋根神)、16柱の神々を祀る合祀殿、悶破稲荷神社、祖霊舎など、見どころがたくさん。ゆっくりと時間を掛けて散策するのをおすすめします。
津軽に古くから伝わるならわし「津軽一代様」
津軽地方では、江戸時代から自分の生まれた年の干支を守り神として信仰する風習があり、初詣や人生の節目には自分の干支を祀った神社やお寺などのご本尊をお参りするのだそうです。「津軽一代様」と呼ばれる、それぞれの干支の守り本尊。その一部をご案内します。
~子(ねずみ)を祀る多賀神社(弘前市)~
弘前市の東目屋地区にある多賀神社には干支の「子(ねずみ)」が祀られています。多賀神社は別名「清水観音」と呼ばれていて、その由来は京都「清水寺」を模して本殿が建設されたからだとか。確かに、あの「清水の舞台」に少し似ているような気がします。
入り口の鳥居付近には子(ねずみ)の大きな絵馬が飾られています。鳥居をくぐり、立派な杉林がそびえる山道をしばらく進むと、急勾配の石の階段がなんと3セット!階段を上った先にあるのが清水観音です。山の斜面に建てられた清水観音は、本物の「清水の舞台」さながら、かなりの高所です。
山の中にひっそりと佇む多賀神社。ご本尊へたどり着くのは大変でしたが、湧き水のせせらぎと力強い樹木のパワーが感じられるスポットです。
~丑(うし)と寅(とら)を祀る求聞寺(弘前市)~
岩木山の麓、求聞寺(ぐもんじ)に祀られているのは、干支の丑と寅。ご本尊の虚空蔵菩薩さまは、福・徳・知恵を授け、開運や縁結びのご利益があるのだそうです。写真のとおり、左側に丑、右側には寅の像が出迎えてくれますよ。境内には県内最大級の釣鐘もあり、その鐘の音に心が浄化されていくようなエネルギーが感じられます。ぜひご自身で鐘を鳴らし、心の底にまで響く鐘の音を体験してみてください。
~卯(うさぎ)を祀る最勝院(弘前市)~
弘前市街にある最勝院は景観が美しい寺院です。ご本尊の文殊菩薩さまは古くから干支の「卯(うさぎ)」年生まれの一代様として親しまれてきました。寺院の門にはかわいらしい卯の像がお出迎え。本殿近くにも、よく見ると卯がモチーフになったものが置かれているので探してみてくださいね。
秋が深まると境内にある樹木が美しく紅葉し、五重塔や石畳の歩道とのコントラストを楽しませてくれますよ。季節の移ろいと景観が豊かなスポットです。
~未(ひつじ)と申(さる)を祀る神岡院 大圓寺(大鰐町)~
大鰐町にある大圓寺は、大日如来さまがご本尊。干支の未(ひつじ)と申(さる)が祀られているお寺です。朱色の山門が鮮やかで美しく、大鰐の街なかでも一際目立っています。実はこの山門に、大圓寺の未と申の模様が彫られているんです。山門をよく観察して探してみてください。
山門の奥にある本殿も、派手な朱色。本殿の内装は豪華絢爛な装飾がなされていて、他の一代様とは違った雰囲気を楽しめます。
青森県内にあるパワースポットは自然からみなぎるエネルギーを感じられるスポットが多く、その場所を訪れるだけで心も身体も軽くしてくれるような、浄化される感覚があります。せっかく青森を旅するなら、どこかひとつでもパワースポットを行き先に織り込んで、その土地が持つエネルギーを取り込んでみてはいかがでしょうか。
- 多賀神社
- 岩木山 求聞寺
- 最勝院五重塔
- 神岡院 大圓寺
- 十和田神社
- 櫛引八幡宮
- 善知鳥神社
- 橋雲寺(愛宕神社)
- 白山姫神社
- 天満宮
- 古懸山不動院国上寺
- 弘前八幡宮