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北の群像をたどる旅 ― 棟方志功・太宰治・土方歳三・高田屋嘉兵衛 ゆかりの地を巡る

青森から函館へ、文化の足跡を訪ねて

北の群像をたどる旅 ― 棟方志功・太宰治・土方歳三・高田屋嘉兵衛 ゆかりの地を巡る

青森県と北海道道南エリアでは、2025年12月から2026年3月までの4か月間、JR東日本の「重点共創エリア」として、青森県・函館観光キャンペーンを開催しています。


キャッチフレーズは「ひと旅 ふた旅、めぐる旅。青森⇄函館」

国内外に向けて、青森と函館が持つ多彩な魅力を発信していきます。


今回は、芸術・文学・歴史など、さまざまな分野で名を残した人物をご紹介。

それぞれの人物にゆかりのある記念館や史跡をめぐり、土地とのつながりを紹介します。


彼らが歩んだ道をたどることで、この地に受け継がれる文化の厚みを感じることができるでしょう。



青森編:芸術と文学の原風景を歩く

棟方志功 ― 「わだばゴッホになる」と誓った北国の芸術家(青森市)

棟方志功記念館蔵

日本を代表する版画家・棟方志功(1903〜1975)は、青森市で生まれ育ちました。

「わだばゴッホになる(=私はゴッホになる)」という有名な言葉の通り、芸術への情熱を燃やし続けた志功。

青森の自然や信仰を背景に、力強く生命感あふれる作風を確立しました。

善知鳥神社


幼少期の志功が遊び場にしていたと伝わる神社。のちに妻・チヤと結婚を誓い合った場所でもあります。

境内には志功の作品に通じる民俗的な空気が漂い、少年時代の彼が見ていた青森の風景を追体験できるスポットです。


善知鳥神社についてはこちら

平和公園(「わだばゴッホになる」の碑)


青森市街地にほど近い緑の公園に、志功の信念を刻んだ碑が静かに佇みます。

「わだばゴッホになる」——その言葉に込められた情熱と孤独を思いながら、芸術家の原点に触れてみてください。


平和公園についてはこちら

青森県立美術館


常設展示では、棟方志功の代表作が多数展示されています。

白を基調とした建築空間の中で、彼の色彩と線の力強さを堪能できます。


青森県立美術館についてはこちら

太宰治 ― “斜陽”の地に生まれた文豪(五所川原市・弘前市)

 青森県五所川原市

『人間失格』『斜陽』など、近代文学を代表する作品を残した太宰治(1909〜1948)。

青森県五所川原市金木町の名家に生まれ、繊細な感性と内面の葛藤を文学へと昇華させました。

太宰治記念館「斜陽館」(五所川原市)


太宰の生家であり、国の重要文化財にも指定されている木造建築。

豪奢な階段や欄間細工には旧家の格式が漂い、『斜陽』の世界を現実の空間として体感できます。

館内には、書簡や原稿、初版本など貴重な資料が多数展示されています。


斜陽館についてはこちら

太宰治疎開の家(弘前市)


終戦直後、太宰が家族とともに身を寄せていた家。

執筆机や当時の生活道具がそのまま残り、静かな時間の中に晩年の彼の息遣いを感じられます。

弘前の落ち着いた街並みとともに、文学者・太宰の“原風景”をたどることができます。


太宰治疎開の家についてはこちら

函館編:戦と海が刻んだ記憶を訪ねて

土方歳三 ― 幕末を駆け抜けた武士の最期(函館市)


新選組副長として幕末を戦い抜いた土方歳三(1835〜1869)。

生まれは現在の東京都ですが、彼が最期を迎えた地こそ、函館です。

激動の幕末の終焉を象徴する史跡が、今も静かに残ります。

碧血碑(箱館戦争記念碑)


函館山のふもとに建つ、箱館戦争の戦死者を慰霊する碑。

「義に殉じた武士の血が碧く染まる」という伝説から名づけられました。

春は桜、秋は紅葉に包まれ、静寂の中に武士たちの魂を感じることができます。

旅人メモ:碧血碑(箱館戦争記念碑)

【基本情報】

北海道函館市谷地頭町1


問い合わせ先:0138-23-5440(函館市観光案内所)

営業時間:なし

駐車場:なし

アクセス:市電 「谷地頭」電停 下車、徒歩15分

はこぶら 函館市公式観光サイト

五稜郭公園・五稜郭タワー


幕末の終焉を象徴する地、五稜郭。

星形の城郭を上空から望めるタワー展望台からは、戊辰戦争の舞台全体を俯瞰できます。

歴史資料館では、土方歳三のゆかりの品や当時の記録も展示され、「戦いの地」としての五稜郭をより深く理解できます。

旅人メモ:五稜郭公園・五稜郭タワー

【基本情報】

北海道函館市五稜郭町43-9


問い合わせ先:0138-51-4785(五稜郭タワー株式会社)

営業時間:9:00~18:00

駐車場:なし

アクセス:市電 「五稜郭公園前」電停 下車、徒歩13分

五稜郭タワー

高田屋嘉兵衛 ― 北方を開いた“海の男”(函館市)

江戸時代の豪商にして航海者・高田屋嘉兵衛(1769〜1827)。

北方交易で活躍し、ロシアとの外交交渉にも関わった人物です。

函館の発展に寄与した功績から、今も“海の男”として市民に親しまれています。

高田屋嘉兵衛資料館


嘉兵衛が使用した航海日誌や交易資料、模型船などを展示。

商人であり外交人でもあった彼の生涯を、臨場感ある展示でたどることができます。


日本で1番最初に製造されたストーブの復元品も展示されています。ストーブの日である11/25には、復元品の火入れ式が行われています。

旅人メモ:高田屋嘉兵衛資料館

【基本情報】

北海道函館市末広13-22


問い合わせ先:0138-27-5226(高田屋嘉兵衛資料館)

営業時間:13:00~16:00(最終入館15:30)

駐車場:なし

アクセス:市電 「十字街」電停 下車、徒歩5分

高田屋嘉兵衛資料館

高田屋嘉兵衛銅像


函館港を見下ろす高台に立つ、高田屋嘉兵衛のブロンズ像。

晴れた日には港のきらめきと遠くの山並みが一望でき、北の海を行き交った嘉兵衛が見ていたであろう景色が広がります。

交易と冒険の時代を切り拓いた男のまなざしは、今も海の彼方を見据えているようです。

海風を受けながら、北の海を切り拓いた嘉兵衛の志と誇りを感じることができます。

旅人メモ:高田屋嘉兵衛銅像

【基本情報】

北海道函館市宝来町9


問い合わせ先:0138-23-5440(函館市観光案内所)

営業時間:なし

駐車場:周辺に有料駐車場あり

アクセス:市電 「宝来町」電停 下車、徒歩2分

はこぶら 函館市公式観光サイト

青森と函館を結ぶアクセス

本州から北海道への玄関口として、2つの交通ルートが便利です。 



新幹線でスマートに

新青森駅から新函館北斗駅までは、北海道新幹線で約1時間。

新函館北斗から函館市街へは在来線で約20分と、時間を有効に使えるルートです。

効率的に両エリアを巡りたい方におすすめです。


フェリーでゆったり移動

青森港〜函館港を結ぶフェリー(津軽海峡フェリー/青函フェリー)は、所要約4時間。

車ごと乗船できるため、青森の観光地を巡ったあとそのまま函館へ渡るドライブ旅にも最適。

津軽海峡の雄大な海景を眺めながら、北国の旅情をゆっくりと味わえます。

偉人の足跡を追う旅は、“時間を旅する”ような体験。場所・建物・展示が重なって、人物と土地の物語を感じられます。

青森と函館、それぞれに息づく歴史と文化。次の旅では、これらのゆかりの地をたどってみてはいかがでしょうか。


また「Amazing AOMORI」では、両エリアが織りなす冬の美しい世界を紹介する特設サイトを公開中です。

ぜひ覗いてみてくださいね。

特設サイトはこちら

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