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冬・春こそ行きたい!高山稲荷神社を歩く

季節ごとに表情を変える、人気のパワースポット!

冬・春こそ行きたい!高山稲荷神社を歩く

青森県のつがる市にある「高山稲荷神社」は、外国人観光客も訪れる注目の観光スポット。1年を通して楽しめますが、今回は冬・春の高山稲荷神社の景色を詳しくご紹介します。

朱色が映える、冬の高山稲荷神社

青森県の日本海側、つがる市に位置する高山稲荷神社は、五穀豊穣、海上安全、商売繁盛のご利益がある神社です。山全体が神社の境内となっている広大な敷地には、見どころがたくさんあります。


青森市から車で移動することおよそ1時間。「大鳥居」と呼ばれる大きな鳥居を車でくぐり、境内へ入ります。参集殿や神札授与所を横目に進んでいくと、参道の鳥居が見えてきます。


鳥居の先には急な階段があり、なんとその数96段!上り終えた頃にはすっかり息が上がってしまいました。津軽地方の冬は雪が深いので、足元には気を付けましょう。足腰に自信がない人は少し遠回りですがゆるやかな女坂のルートがおすすめです。

階段を上ると少し開けていて、左手には高山稲荷神社の拝殿(本殿)が堂々と佇んでいます。

高山稲荷神社の境内には、稲荷神社だけではなくさまざまな神様に通じる祠(ほこら)が祀られているのですが、この拝殿は高台にあり、最も大きく存在感のある社です。

千本鳥居があるのは拝殿のさらに先。急な階段を下りると、目の前が開けて龍神宮と千本鳥居がある神苑が広がります。

龍神宮は龍神池のほとりに建てられた宮で、太鼓橋で千本鳥居へとつながっています。龍は水神の化身と称えられ、雲を呼び、雨を降らすといわれることから、社殿を火災から守る意味で、龍神宮の社殿の彫刻や天井に描かれているそうですよ。

津軽には高山稲荷神社のほかにも龍神・龍王を祀る神社仏閣がいくつかあり、津軽龍神霊場といわれています。神々が宿る龍神を巡ってみるのも面白そうです。

龍神宮のほど近くから、朱色の千本鳥居が蛇行するようにズラリと並んでいます。

千本鳥居は高山稲荷神社を信仰する地元の農家がいくつかの鳥居を奉納したことがきっかけとなり始まりましたが、神苑にまっすぐ並べることが難しかったため、龍のように蛇行させた千本鳥居が誕生したそうです。現在は全国各地から奉納をいただき、鳥居の数も増えていているそうですよ。

長いように見える千本鳥居ですが、歩き進めるごとに見える景色がどんどん変わっていくので飽きることなく頂上までたどり着けます。季節によって鳥居の合間から見える景色も違い、春には鳥居の向こう側に満開の桜を見ることもできます。

季節ごとに楽しめる高山稲荷神社の景色

頂上の展望所から千本鳥居を眺めると、真っ赤な龍が蛇行しているように見えます。千本鳥居は京都の伏見稲荷神社をはじめ、全国各地の神社にありますが、蛇行した千本鳥居が龍のように見えるのは全国的にも珍しいのではないでしょうか。季節によって景色がガラリと変わるのも、高山稲荷神社の魅力です。

雪が降り積もり、池が凍った冬景色では、真っ白な雪のなかに千本鳥居の朱色が映えます。まるで時が止まったかのような、水墨画のような景色。他県の千本鳥居では見られないような幻想的な風景です。

春を迎えると千本鳥居の周辺にある山桜や八重桜が咲いて、雪景色とは違う華やかな雰囲気に。山に囲まれた場所なので、桜が咲くのは少し遅めです。

春から夏にかけては、千本鳥居周辺に菖蒲や蓮、藤、あじさい、シャクナゲなどが次々と咲き、まさに桃源郷のよう。森のなかにある現実離れした景色は、いつまでも眺めていたくなりますね。

展望所付近には、もう一つ見どころがあります。それが、数えきれないほどのキツネの像。高山稲荷神社には、全国の稲荷神社でお役目を果たしたキツネの像が御祈祷されて静かに佇んでいるんです。明治時代頃から徐々に高山稲荷神社に集まるようになったそうで、ほとんどが対になって置かれています。この場所だけ別世界に切り離されたかのような不思議な光景です。

高山稲荷神社に集まってきたキツネの像たちは、「おいなりさん」と呼ばれる稲荷神社に奉納されていたものです。「稲荷」とは、稲作・農業の神様のこと。稲荷神社でよく見かけるキツネの像は、神様であるお稲荷様の使者として神社に鎮座しているんです。

高山稲荷神社に並ぶキツネの像を見ると表情や姿かたちにそれぞれ特徴があり、一つ一つ見ていくと面白いです。なかには犬のような像や、猫にしか見えない像も…?

高山稲荷神社の神礼授与所では、御朱印がいただけます。千本鳥居や龍神宮など、いくつかの中から柄を選べます。「おいなりさま」のキツネにちなんだおみくじや、大鳥居を模した絵馬もあり、旅の記念になりそうです。

2023年5月にオープンしたお休み処では、蕎麦・うどんなどの軽食の提供やお土産が販売されています。

お菓子は箱入りのものもありますが、ばら売りもしているのでその場で味わえますよ。

旅人メモ:津軽の豪族・安藤氏と高山稲荷神社

七里長浜と呼ばれる日本海に面した海岸のすぐ近くにある高山稲荷神社。高台からは美しい日本海が望めます。

鎌倉時代、安藤氏という豪族が十三湊を根城に日本海での交易を盛んに行っていて、津軽を席巻していました。高山稲荷神社が創建された年代は明らかではありませんが、鎌倉時代から室町時代にかけてこの辺りを統治していた安藤氏の創建と伝えられているそうです。

つがる市の隣町・鯵ヶ沢町には、安藤氏にちなんだ地酒「安東水軍」があります。白神山地の湧き水と県産米を使用して作られた日本酒を、ぜひご賞味あれ。

旅人メモ:津軽の豪族・安藤氏と高山稲荷神社

【基本情報】

高山稲荷神社


【基本情報】

地酒「安東水軍」


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冬・春の高山稲荷神社で見られる景色をたっぷりとご紹介しました。夏と秋には青々とした若葉と青空に映える千本鳥居を見ることができますし、周辺を彩る花も変わります。一度足を運べば、何度でも訪れたくなること間違いなしです。魅力が詰まった高山稲荷神社を、ぜひ散策してみてくださいね。


※高山稲荷神社の「高」は、正式には「はしごだか」です。

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