小牧野遺跡
石はどこから運ばれたのか?縄文時代のストーンサークル
小牧野遺跡は、縄文時代後期前半に作られた日本最大級の環状列石(ストーンサークル)が特徴的で、青森市野沢字小牧野の荒川と入内川に挟まれた舌状台地に位置する遺跡です。
小牧野遺跡の環状列石は、直径55mにもおよびます。環状列石を形作っている石は、現在約2,900個を数え、総重量は推定で31,054kg。これらの石は遺跡から東に500m~1km程離れた「荒川」一帯から運ばれたものと考えられており、相当な労働力だったであろうことは想像にかたくありません。
石の並べ方に他の遺跡の環状列石とは異なった特徴があり、石を横に並べていくだけではなく、楕円形の石を縦に置き、その両側に平らな石を数段組み合わせ石垣を築くように立体的に並べられています。全国的にも珍しいこの方法は、「小牧野式」配列(配石)と呼ばれています。
竪穴式住居などの生活の跡のほか、様々な出土品も多く見つかっており、特に三角形岩版は小牧野遺跡の代表的な遺物で、これまでに400点をこえる数が確認されています。このような岩版は、祭祀などで人が多く集まる場所で使用されたものと思われます。
遺跡近くにある「縄文の学び舎・小牧野館」は、廃校となった小学校を改修したガイダンス施設。遺跡の出土品や解説パネルが展示され、小牧野遺跡を楽しく学ぶことができます。ミュージアムショップでは「縄文土偶ニット帽」など遊び心あふれるユニークなグッズが販売されていますので、ぜひチェックしてみてください。
◆2021(令和3)年7月、北海道、青森県、岩手県、秋田県の17遺跡で構成される「北海道・北東北の縄文遺跡群」が、国連教育科学文化機関(ユネスコ)の世界文化遺産へ登録されました。
青森県の「北海道・北東北の縄文遺跡群」は、以下の8カ所。ぜひ青森県の世界遺産を巡ってみてください。
三内丸山遺跡
小牧野遺跡
大森勝山遺跡
是川石器時代遺跡
田小屋野貝塚
亀ケ岡石器時代遺跡
大平山元遺跡
二ツ森貝塚
基本情報
- 住所
- 青森県青森市野沢字小牧野
- 問い合わせ先
- 青森市小牧野遺跡保護センター (縄文の学び舎・小牧野館)
- 電話番号
- 017-757-8665
- 休業日
- 冬季閉鎖(11月16日~4月30日)
- アクセス
- JR青森駅から車で約35分
JR新青森駅から車で約35分
青森空港より車で約20分
青森中央ICより車で約25分
バス停古川3番乗り場(青森駅から徒歩5分)より青森市市バス「大柳辺」行きで約25分、「野沢」下車、徒歩約25分
青森市小牧野遺跡保護センター 縄文の学び舎・小牧野館より車で5分、徒歩約25分 - 駐車場
- あり
バスの駐車は予約制 - ウェブサイト
- 国指定史跡小牧野遺跡ホームページ北海道・北東北の縄文遺跡群公式ホームページFacebook
- 備考
- ガイド(所要時間約30~40分、無料、日本語)
1名常駐 ※2週間前までに要予約