紅葉ドライブでめぐる、八甲田温泉郷一日旅
秋の絶景と名湯をつなぐ癒しのルート

八甲田山は、紅葉と温泉の両方を一度に楽しめる、秋定番のドライブエリア。
青森市街から車で約1時間とアクセスも良く、日帰り旅行や週末のお出かけにぴったりです。
今回は、紅葉の名所と温泉を組み合わせた“一日で巡る八甲田ルート”をご紹介します。
朝の澄んだ空気の中で眺める紅葉、湯けむりに包まれる名湯で、秋の魅力をたっぷりと感じてください。
日本屈指の上路式アーチ橋からの絶景 | 城ヶ倉大橋
「十和田八幡平国立公園」内にある城ヶ倉大橋は、全長360mの東北最大級のアーチ橋です。
谷底までの落差はなんと120m。
紅葉のピーク時には山一面が赤・橙・黄に染まり、橋上からの眺めは圧巻。全身で秋の雰囲気を感じることができます。
橋のたもとには「ホテル城ヶ倉」があり、露天風呂から紅葉が見える贅沢な立ち寄り湯も。
2025年10月17日の紅葉の様子です。
全体が色づき始めています。これからさらに紅葉が進みそうです。
橋の上からは山の峰と同じ目線で景色を眺められ、オレンジから緑への美しいグラデーションを楽しめます。
八甲田を代表する名湯 | 酸ヶ湯温泉
城ヶ倉大橋から車で約5分の場所にある、八甲田を代表する名湯・酸ヶ湯温泉。
白濁した硫黄泉が特徴で、車を降りた瞬間にツンとした硫黄の香りが漂います。
旅館に入らずとも、名物のソフトクリームや青森の郷土料理「生姜味噌おでん」を味わうことができます。
酸ヶ湯温泉は、なんといっても総ヒバ造りの大浴場「ヒバ千人風呂」。
160畳の広さと5mの天井が生み出す開放感に、ヒバの香りが満ちる名湯です。
約300年の歴史をもち、国民保養温泉地第一号にも指定されています。
強い酸性の湯は、筋肉痛や冷え性、疲労回復に効果があるといわれています。売店で湯あみ着を購入し入浴することもできます。
2025年10月17日の紅葉の様子です。
山全体が美しく色づき、見渡す限り鮮やかなオレンジに包まれていました。
酸ヶ湯温泉を抜けた先の共用駐車場では、多くの方が車を停めて紅葉の撮影を楽しんでいました。
エメラルドグリーンと紅葉のコントラストを楽しむ | 地獄沼
酸ヶ湯温泉の近くにある、八甲田火山の噴気地帯「地獄沼」。
エメラルドグリーンの沼から湯気が立ち上る光景はまさに「地獄」の名のとおりですが、紅葉シーズンには周囲の色づいた木々とのコントラストが美しく、撮影スポットとしても人気です。
散策路が整備されており、軽いハイキング気分で立ち寄ることができます。
2025年10月17日の紅葉の様子です。
地獄沼も酸ヶ湯温泉同様に全体が紅葉しており、まさにピークを迎えていました。
地獄沼という名前ですが、紅葉と湯気が織りなす景色はどこか幻想的です。
晴れた日には、青空、紅葉、そして沼のグリーンが織りなす美しいコントラストを楽しめます。
展望デッキから八甲田の峰を一望 | 睡蓮沼
地獄沼からさらに車で6分ほど進むと、「睡蓮沼」と呼ばれる高原の小さな沼が見えてきます。
晴れた日には、水面に八甲田連峰がくっきりと映り込み、まるで一枚の絵画のような美しい光景が広がります。
展望デッキやベンチも整備されているので、小休憩をしながら、沼と八甲田の雄大な景色をゆっくり楽しめます。
2025年10月17日の紅葉の様子です。
奥の八甲田の峰はまだ緑が多いものの、手前の木々は鮮やかに色づいていました。
睡蓮沼手前の道沿いも周囲一面が紅葉に包まれ、思わず見惚れてしまう美しさです。
400年の歴史をもつ秘湯で心も体もほっとのんびり | 谷地温泉
標高約900m、八甲田連峰の南麓に佇む秘湯。
開湯は400年以上前といわれ、日本三秘湯のひとつにも数えられています。八甲田登山やトレッキングの拠点としても人気の温泉宿です。
木造の湯屋には「上の湯」と「下の湯」の二つの源泉があり、体をじっくり温めるぬる湯が特に人気。
さらりとした白濁湯が体を包み、神経痛や冷え性、疲労回復などに効果があるといわれています。
紅葉に包まれた露天風呂で、時間を忘れてのんびり過ごせます。
2025年10月17日の紅葉の様子です。
谷地温泉もすっかり色づき、秋の景色が広がっていました。
駐車場の後ろには登山道の入り口があり、階段を上って進むことができます。
途中まで登ると、谷地温泉を見下ろす形になり、紅葉に包まれた大自然の中にいることを改めて実感できます。
自然の恵みと絶景を楽しむ一軒宿 | 蔦温泉
蔦温泉はブナの原生林に囲まれた一軒宿。
青森県の貸切風呂で源泉湧き流しの湯は蔦温泉だけなのだとか。
周辺には「蔦沼」や「蔦七沼」と呼ばれる散策路もあり、特に蔦沼は紅葉時期に写真愛好家が集まる絶景スポットとして有名です。
蔦温泉は湯船の底から源泉が湧き上がる「源泉湧き流し」が特徴で、木の香り漂う湯屋に満たされる自然の恵みをそのまま感じられます。
無色透明でやわらかな湯は肌にやさしく、疲労回復や美肌にも効果があるといわれています。
一泊して朝の静寂の中、沼に映る紅葉を眺めるのも格別です。
2025年10月17日の紅葉の様子です。
蔦温泉周辺の木々はまだ緑が多く、紅葉の本番はこれからのようです。
ロータリーに生えている日当たりの良い木々の中には、すでに落葉しているものもありました。
蔦沼の周りもまだ緑が目立ちますが、うっすらと紅葉が始まってきていました。
これからが見頃になりそうです。

2025年10月17日撮影
紅葉と温泉をセットで楽しめる八甲田は、まさに“秋限定の絶景ルート”。
日帰りでも無理なく巡れる距離感で、温泉好きにも写真好きにもおすすめです。
色づく山々と温かいお湯に包まれて、心と体の贅沢なひとときをぜひ味わってください。



















