ごのへ三大肉のひとつ、馬肉を味わう旅

青森県南部地方にある五戸町では、古くから馬肉文化が根付いています。
「ごのへ三大肉」のひとつである馬肉の青森らしい味わい方をご紹介します。
青森県が誇る「ごのへ三大肉」の魅力
五戸町は江戸時代、幕府直下の牧場を有していたことから、現在でも酪農や畜産が盛んにおこなわれています。ブランド牛として全国的にも有名な「倉石牛」や、市場から高い評価を受けている青森県の地鶏「青森シャモロック」、そして五戸町の特産品として親しまれる「馬肉」の3つは、「ごのへ三大肉」と呼ばれています。
五戸町では精肉店はもちろん、スーパーなどでも馬肉が購入できるそう。五戸町の住民にとって馬肉は身近な肉であることがうかがえます
青森版ジンギスカン?!義経鍋で馬肉を味わおう
赤身が桜の花を想像させることから、馬肉は別名「桜肉」とも呼ばれます。馬肉の定番料理といえば、味噌味で馬肉を煮込んだ桜鍋やしゃぶしゃぶ、鉄板焼きなどがありますが、五戸では「義経鍋(よしつねなべ)」という鍋で馬肉を味わうことができるんです。
今回は、五戸町にある馬肉専門店「尾形精肉店」で「義経鍋」を体験しました。店内の1階部分は精肉店、1階奥と2階部分が飲食店の座席や個室になっています。
さっそく義経鍋の登場です。見たことのない変わった形状の鉄板。この中央には、水炊きのための小鍋が乗ります。義経鍋とは、小鍋の周りの鉄板で馬肉を焼き、中央の小鍋では水炊きも楽しめる、1つの鍋で2つの食べ方が味わえる料理なのです。
「義経鍋」は、源義経公一行が平泉から落ち延びる途中、武蔵坊弁慶が野鳥などを捕らえ、兜を鍋の代わりにして料理し精を付けたと言われていることから作られたそう。確かに鍋の形が兜に似ているようにも感じます。この鍋はもともと真っ黒な南部鉄器で、何十年も使い込まれ、磨かれてこのようないぶし銀になったそうですよ。
中央の小鍋にはこんぶ出汁の入ったスープ、そして鍋に入れる具材と、焼き肉用の野菜、たっぷりの馬肉が運ばれてきました。
熱した鉄板の上で、馬油を塗り広げます。鉄板は湾曲していて、4つのポケットに溶けた馬油が溜まるようになっています。
小鍋には鍋の野菜や豆腐、糸こんにゃくなどを入れておき、鉄板の方ではさっそく馬肉と野菜を並べて焼いていきます。馬肉は低カロリーで高タンパク質。鉄分やカルシウムなどの栄養素も豊富に含まれていて、たくさん食べても罪悪感が無いのがうれしいポイントです。焼き上がったお肉は、尾形自家製の焼肉のタレをつけていただきます。クセの無い、食べやすい馬肉に箸が止まりません。
ポケットに溶けた脂が溜まってきたら、馬肉を鉄板に並べる前に、生肉をポケットに入れ、脂を纏わせてから鉄板へ置いてください、と店員さん。「生肉を脂につける」という普段しない食べ方に驚きますが、そうすることで馬肉の旨みが閉じ込められ、馬肉がさらにおいしくなりました!
水炊きの方は、ポン酢にお好みで大根おろしを加え、さっぱりと食べ進めます。馬肉をよりさっぱり食べたいお客様のなかには、水炊きで馬肉をしゃぶしゃぶにして食べる方もいるそうです。もともと柔らかい馬肉ですが、しゃぶしゃぶにすることでさらに柔らかくなり、無限に食べられる美味しさです。
焼肉と水炊きの2つがあることで飽きることなく馬肉を堪能できる義経鍋は、青森県民でもあまり知らない、五戸の隠れたソウルフードです。
馬肉本来の味を楽しむなら馬刺しがおすすめ。尾形では自家製の味噌だれを付けていただきます。ニンニクが効いた味噌だれが、馬肉のさっぱりとした旨みとよく合います。
馬刺し用の肉、鍋用の肉、どちらも精肉店で持ち帰りができるので、自宅でも美味しい馬肉を味わえますよ。お土産や贈答にも喜ばれそうです!
今回は尾形精肉店をご紹介しましたが、五戸町には「レストラン佐々木(佐々木精肉店)」「柊」「五戸ばきば温泉」など、馬肉を味わえる飲食店があります。これらのお店は馬肉はもちろん、倉石牛や青森シャモロックのメニューも豊富なので、「ごのへ三大肉」を食べ比べてみるのも面白そうですね。
旅人メモ: 尾形精肉店
●住所:青森県三戸郡五戸町博労町18-1
●TEL:0178-62-3016
●営業時間:11:00~21:30(L.O.21:00)
●定休日:年中無休
馬肉料理「義経鍋」の楽しみ方をご紹介しました。
直営牧場もあるからこそ新鮮な馬肉を楽しめるのは、産地である五戸ならでは。観光ランチやディナーに、青森ならではの食べ方で馬肉を味わってみてください。
※本記事は、2024年度に取材・撮影したものです。現在と情報が異なる場合もありますので、予めご了承ください。









