冬の中町こみせ通り散策
江戸情緒を堪能しよう

黒石市には昔なつかしいたたずまいをそのまま残す「中町こみせ通り」があります。古き良き文化と街並みが残る黒石で、津軽の冬を感じましょう。
「日本の道百選」に選ばれたこみせ通り
青森県のほぼ中央に位置し、津軽平野に囲まれる黒石市。津軽地方のローカル線線である弘南鉄道弘南線・黒石駅から徒歩10分の場所に、「日本の道百選」に選ばれ、国の重要伝統的建造物群保護地区に指定されている「中町こみせ通り」があります。
築200年以上の歴史ある建物が軒を連ねる「中町こみせ通り」は、「こみせ」と呼ばれる木造のひさしを連ねたアーケード状になっており、津軽地方の商家では、客を寒さや雪から守るため、建物の道路側に「こみせ」を設けることがありました。趣ある街並みは、歩くだけで昔ながらの雰囲気を楽しむことができますよ。
黒石グルメや地元ならではのお土産を楽しむ
こみせ通り沿いには商家をはじめ造り酒屋や蔵などが立ち並び、現在も歴史的建造物での生活が営まれています。
こみせ通り中央にある「寺山餅店」は、1824年から200年続く老舗餅店。江戸時代からの伝統的な手法で作る「四半餅(しはもち)」は人気商品で、甘すぎない素朴な味わいが魅力です。
寺山餅店のすぐ隣にある「和風レストラン御幸」では、黒石のソウルフード「つゆ焼きそば」が味わえます。温かいそばつゆにソース焼きそばが浸ったつゆ焼きそば。御幸のつゆ焼きそばは温泉卵と大きな海老天が乗っていて、ボリュームも満点です。ほかにも、津軽の食材をたっぷりと使ったメニューが豊富ですよ。
こみせ通りに面した重要文化財「高橋家住宅」の角を曲がった路地は、高橋家に代々受け継がれる名前「理右衛門」から「理右衛門小路」と名付けられ、小さなお店が並んでいます。
「手作り雑貨体験工房IRODORI」では、毎年7月30日から8月5日に開催される黒石ねぷた祭りの山車に使われたねぷた絵を再利用して、彩り豊かなねぷた燈籠などの制作体験ができます。
高橋家の裏手にある「横町かぐじ広場」には小さな池や松の木、屋根付きの通路にベンチやテーブルがあり、街なかにある憩いの場となっています。
「津軽黒石こみせ駅」では、津軽こけしやひょうたんの置き物など黒石ならではの伝統工芸を購入できます。店内に飲食スペースがあり、土日には津軽三味線の生演奏を間近で堪能できるのでおすすめです。
「鳴海醸造店」は、1803年から続く造り酒屋。地酒「菊乃井」「稲村屋」をはじめ、青森県の原料にこだわって丁寧に作られた日本酒をその場で購入できます。黒石市の寿司専米「ムツニシキ」を使用して作られたお酒など、なかなか出回らない日本酒もあり、日本酒好きにはたまりません。
こみせ通り沿いにはもう一軒の酒蔵「中村亀吉酒造」もあり、大きな杉玉が下がっているのが目印です。他県に出ることは少なく青森県内で消費されている「亀吉」は人気のお酒で、蔵の個性と津軽の風土にこだわって醸造されています。
津軽藩がこの土地を治めていた藩政時代の面影を残すこみせ通り。タイムスリップしたような気分で散策を楽しめますよ。今回紹介した以外にも、すてきなカフェやランチが食べられるお店などが点在しているので、ぜひ歩いて探してみてくださいね。
※本記事は、2024年度に取材・撮影したものです。現在と情報が異なる場合もありますので、予めご了承ください。



















