伝統と歴史が誇る八戸三社大祭を満喫しよう

「八戸三社大祭」は八戸地方を代表するお祭りで、およそ300年の歴史を誇ります。青森ねぶた祭や弘前ねぷたまつりとはまた違った賑わいと楽しみ方がある八戸三社大祭をご紹介します。
3つの神社のお祭りが合体した「八戸三社大祭」
厳かな行列と郷土芸能、豪華絢爛な山車が見どころの「八戸三社大祭」は、毎年7月31日~8月4日に行われる青森県県南地方の最大の祭りです。江戸時代、八戸市の有力者たちが龗神社へ神輿渡御をし始め、後に長者山新羅神社、神明宮が加わって現在の三社大祭の原型となったといわれています。
長い歴史を持つ八戸三社大祭は、「八戸三社大祭の山車行事」として国の重要無形民俗文化財に指定され、ユネスコ無形文化遺産「山・鉾・屋台行事」にも登録されています。
八戸三社大祭を沿道でじっくり観覧できる有料観覧席は全席指定で、事前に予約が必要です。早く山車が通過するブロックほど人気のため、確実に席を確保したい方は早めにチケット予約をしましょう。チケットに席の番号が書かれているので、付近の係員さんにチケット番号を確認してもらい、お土産を受け取って着席します。
もちろん、沿道に敷物を敷いて場所取りをして八戸三社大祭を見ることもできますし、立ち見も可能です。山車が通る道路には屋台が並ぶので、飲食しながらお祭りを楽しめますよ。
三社の行列のなかには郷土芸能も。変身するド派手な山車は見逃せない!
祭り開始1時間前。この日のスタート地点である八戸市庁前広場には、すでにたくさんの豪華絢爛な山車が集合していました。停まっている山車を近寄ってじっくり見ることができるのはこのタイミングだけなので、その日のスタート地点はぜひチェックしてみてくださいね。
今回は廿三日町の区画の有料観覧席を予約したので、行列の先頭が見えてきたのはスタート地点出発から20分後でした。神明宮の行列に始まり、山車7組、法量山龗神社(ほうりょうさんおがみじんじゃ)の行列と山車11組、長者山新羅神社(ちょうじゃさんしんらじんじゃ)の行列と山車9組と続きます。青森ねぶた祭とは違ったゆるやかなお囃子に合わせ、行列が進んでいきます。
行列には大神楽や法量神楽の権現舞、巫女行列、高館駒踊、笹の葉踊り、虎舞など、地域の郷土芸能として続いている舞や踊りが多数あり、普段なかなか見られない郷土芸能が間近に楽しめます。
なかでも、滑稽な動きで観る人を楽しませる「虎舞(とらまい)」は八戸市内の海沿いのいくつかの地域で伝承しており、虎に頭を噛まれることで無病息災のご利益があるとされているそう。観客にも大人気です。
いよいよ山車の登場です。八戸三社大祭の山車の運行団体は地域単位で、山車は毎年それぞれの地域で手作りされています。運行途中で変身してさらに大きくなったり、煙を噴射したりと、山車によって個性豊かでさまざまな仕掛けが施され、観客を楽しませてくれます。ビルほどもある山車が、変化しながら前進してくる姿は圧巻です。
山車には表情豊かな人形や動物、細かな装飾が施された欄干など、盛りだくさんに飾り付けられているのが分かります。山車には本来、岩や海、もみじ、桜などベースとなるテーマがあったそうですが、最近の山車はベースのお題にとらわれない山車が増えているそう。もともとのテーマを考えながら山車を見比べてみても面白いですよ。
山車はもちろん、地域に伝わる郷土芸能なども一堂に会す八戸三社大祭には、八戸地方の地域文化が凝縮されています。ぜひ現地で祭りの空気感を味わってみてくださいね。
※この記事は、令和6年度に取材・制作したものです。