この春は、青森のアートを探しに出かけよう。
初開催のアートフェスと青森県立美術館の魅力
岩根愛《The Opening》 2022年
2024年春から、青森県にあるアート施設5館が連携し、アートフェスが初開催されます。
青森県の厳しい風土から生まれた芸術を感じに、春こそ美術館に出かけませんか。
青森で初めてのアートフェスが開催!
2024年4月13日(土)~9月1日(日)の期間、青森県内にある現代美術を楽しめる5つの美術館・アートセンターを中心に、「AOMORI GOKANアートフェス 2024」が初開催されます。「つらなりのはらっぱ」をテーマに、期間中は展覧会やプロジェクト、パフォーマンスなど、それぞれの館の特徴を活かした多様なプログラムが開催される予定です。
・「かさなりとまじわり」(青森県立美術館、4月13日〜9月29日)
・「currents / undercurrents -いま、めくるめく流れは出会って」
(青森公立大学 国際芸術センター青森(ACAC)、4月13日〜9月29日)
・「蜷川実花 with EiM:儚くも煌めく境界」&「弘前エクスチェンジ #06 『白神覗見考』」(弘前れんが倉庫美術館、4月6日〜9月1日)
・「エンジョイ!アートファーム!!」(八戸市美術館、4月13日〜9月1日)
・「野良になる」(十和田市現代美術館、4月13日~11月17日)
これに加え、5つの開催館の共通企画として世界的アーティスト栗林隆氏による体験型のインスタレーション作品《元気炉》が、アートフェス後半の8月から最終日にかけて巡回展示されます。
栗林氏は、国際美術展や各地の芸術祭など世界を舞台に作品を発表するアーティストで、自然と人間、社会をとりまく様々な「境界」をテーマに作品を制作しています。
《元気炉》は観客が中に入って体験することができる作品。普段なかなか目にすることのできない、期間限定の屋外展示をぜひ体験してみてくださいね。
【基本情報】
AOMORI GOKAN アートフェス 2024「つらなりのはらっぱ」
会期:2024年4月13日(土)〜9月1日(日)
会場:青森県立美術館、青森公立大学 国際芸術センター青森 [ACAC]、弘前れんが倉庫美術館、八戸市美術館、十和田市現代美術館、
ほか県内各所
アートフェス期間中はほかにもさまざまな関連企画が各館で開催される予定です。5館を巡るも良し、美術館近くの観光施設に足を運ぶも良し。縄文土器やねぶた、こけし、焼き物など、青森に根付いた伝統文化は全てアートにつながっています。また、春から夏にかけての青森は、桜や梅、紫陽花やひまわりなど、色とりどりの花が次々と咲き、見る人を楽しませてくれます。アートや季節の花を巡るデジタルスタンプラリーも開催します。この機会にぜひ、青森に散りばめられたアートを探してみてくださいね。
【基本情報】
入手したスタンプの数によって、オリジナルデザインのこぎん刺しグッズや、アートグッズなどの素敵なプレゼントが当たります。
・開催期間:2024年4月13日(土)~2024年9月1日(日)
・開催場所:青森県内約100カ所のアート・花・グルメスポットなど
青森のアートをボリュームたっぷりに楽しめる青森県立美術館
AOMORI GOKANアートフェス 2024の開催館の一つである「青森県立美術館」は、新青森駅から車で約10分の場所に位置している、青森県で最も大きな美術館です。
隣の「三内丸山縄文遺跡」の発掘現場から着想を得て、建築家の青木淳氏によって設計され、2006年にオープンした青森県立美術館。発掘現場のトレンチ(壕)のように、地面が幾何学的に切り込まれているのが特徴です。
美術館の中心には、縦・横21m、高さ19.5m、四層吹き抜けの大空間「アレコホール」が設けられています。このホールには、20世紀を代表する画家、マルク・シャガール(1887-1985)によるバレエ「アレコ」の背景画が展示されています。
美術館の西側に位置する屋外空間には、国内外で活躍する弘前市出身の美術家・奈良美智(なら・よしとも)によって制作された巨大な犬の立体作品が設置されています。高さは約8.5メートル、横幅は約6.7メートル。《あおもり犬》と名付けられた立体作品は、哀愁を帯びた佇まいが見る人を惹きつけます。青森県立美術館では1998年から奈良美智作品の収蔵を始め、現在その数は170点を超えるそうで、多くの作品が展示されています。
青森県立美術館の常設展にはほかにも「世界のムナカタ」こと板画家の棟方志功や、「ウルトラマン」をデザインした青森県出身の彫刻家兼特撮美術監督・成田亨など、青森県ゆかりのアーティストが手がけた作品をたっぷりと鑑賞できます。
美術館に併設されているミュージアムショップには、青森にゆかりのあるアーティストの図録やポストカードをはじめ、さまざまなアート関連グッズが揃っています。美術館ならではのアーティスティックなラインナップは、雑貨好きはもちろん、アートファンにも要チェックです。
また、カフェやアートライブラリーなど、広い美術館を歩き疲れたときに一休みできるような場所もあるので、お子さま連れからご年配の方まで、幅広く長時間楽しめますよ。
県立美術館から歩いて行ける距離には「特別史跡 三内丸山遺跡」もあり、青森のアートのルーツを堪能できます。青森に訪れたらぜひチェックしてみてくださいね。
2023年4月13日から県立美術館で始まるアートフェスメイン企画「かさなりとまじわり」について、詳しくはこちら ※順次公開予定
【基本情報】
青森県立美術館は、真っ白い箱に作られた大きな迷路のような建物はもちろん、シンボルマークやフォント、会場の雰囲気にいたるまで、徹底された世界観のなかでアートと向き合うことができる美術館です。作品の世界にとっぷりと浸かるアートな旅をぜひ過ごしてみてくださいね。