福浦歌舞伎(歌舞伎の館)
ふくうらかぶき(かぶきのやかた)
伝統を守り抜く漁師たちの熱い想いを歌舞伎に
全国的にも珍しい「漁村歌舞伎」として知られる、佐井村福浦地区の「福浦歌舞伎」。
地元の漁師たちによって演じられる福浦歌舞伎は、120年以上の歴史があり大切に受け継がれてきた文化です。
福浦の歌舞伎は明治20年頃、歌舞伎役者であった中村菊五郎が、妻の菊松とともに磯谷で歌舞伎の指導をしていたものを明治23年に福浦に招き、その後2年に渡って伝授されたものです。当時娯楽や文化に乏しく、特に冬の厳しさから楽しみのなかった福浦の人々にとって最高の娯楽として定着し、盛んに演じられ、大切に受け継がれてきました。
かつて役者が多かったころは上演する演目も多く、とても賑わいのあるものでしたが、出稼ぎで多くの若者が外に出ていったことや少子高齢化の影響で、役者・演奏者らの担い手不足が深刻になり、途絶える寸前まで追い込まれたそうです。
伝統を絶やさぬため、昭和46年「福浦芸能保存会」が発足されました。歌舞伎の台本化や演目の復活にも精力的に取り組み、集落で保全に努めてきました。現在でも保存会のメンバーである漁師たちは、漁の繁忙期でさえも伝統を絶やすまいと稽古を重ねています。
昭和63年には伝承100周年を迎え、「歌舞伎の館」が作られました。歌舞伎の館には300人もの観客を収容できる観劇スペースや、これまで伝承されてきた貴重な道具等の展示コーナーがあり、福浦の歌舞伎の魅力を存分に味わうことができます。「福浦の歌舞伎」は、県の無形民俗文化財にも指定されました。
基本情報
- 開催期間
- 毎年4月10日の春祭りに上演
- 住所
- 青森県下北郡佐井村大字長後字福浦川目70-1
- 問い合わせ先
- 歌舞伎の館
- 電話番号
- 0175-38-5826
- 営業時間
- 不定期(上演時のみ開館)
- 料金
- 上演によって異なる
- アクセス
- JR下北駅より下北交通バス佐井線下りで2時間15分、「佐井」下車、車で約25分
JR下北駅より車で約1時間30分 - 駐車場
- あり(30台以上)
- ウェブサイト
- 佐井村観光協会公式サイト