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自分を大切にする休日。青森県・薬研渓流デトックスと“カモシカ女将”が営む薬研荘のリトリート旅 後編

自分を大切にする休日。青森県・薬研渓流デトックスと“カモシカ女将”が営む薬研荘のリトリート旅 後編

後編:カモシカ女将リトリート“いのちだいじに”編

薬研渓流の散策(冒険)ですっかりデトックスができ、身体の方は充実した疲れで心地よい状態。デトックスでいらないものが抜けたところに、心身の栄養・回復アイテムを入れる、いわゆるリトリートをすることで、更に自分を元気にしていきたいと思います。

そんな私の目的にぴったりの場所、それはここ、薬研温泉にある旅館「薬研荘」です。

今回のブログのタイトルにもある通り、カモシカ女将という名物女将がいらっしゃることでも有名な宿です。

外で出迎えてくれた看板犬と看板猫に見守られながら扉を開けましたが、玄関から見渡す限りは誰もいません。奥の様子もよくわからないです。手前に改めて視線を移すと、靴箱の手前には天井からぶら下がっている謎の板が。

「御用の方は木打して下さい」という初めて見る日本語でしたが、おそるおそる叩いてみます。

カン、カン 例えるなら、拍子木のようなとても澄んだいい音

まもなく現れたのが噂のカモシカ女将、ご挨拶の後、館内の設備や共同スペース、お風呂の使用のルールやお部屋についての丁寧かつコンパクトな説明をいただき、女将はサッと夕食の準備へと戻られました。

設備自体は新しくはありませんが、手入れが行き届いていて、廊下は輝いています。ピカピカの廊下

共同の手洗い等スペース

今回泊まったお部屋

夕食まで時間があったので、約3時間の散策で疲れた身体を薬研温泉でほぐしていきます。

源泉掛け流し、加温も加水もしていない、ピュアな温泉で、無色透明でクセがないのですが、最初は少しぴりっと熱く感じました。女将曰く、含まれている成分によるものだそうです。湯上がりは肌がツルツルに。

選べる「少し温め」「少し熱め」 の2種類の温泉 「少し温め」を選択

手入れの行き届いた心地の良い空間で、温泉でゆっくりと身体をほぐす。人の手で大切にされている場所に身を置くということも、自分を大切にすることに繋がるのだと感じました。

そしておまちかねの夕食です。各部屋で食べるスタイルで、女将直々に料理の説明を受けます。

「食べて健康プラン」と名付けられた料理、夕食のお膳ですが、ここに泊まりにくるお客さん(リピーターが多いそうです)のお目当てが写真左上の「きのこ鍋」と時期によって変わる中央の山菜です。

きのこ鍋はなんと出汁を一切使っていません。この滋味深い味わいは1回体験してほしい……

山菜は「カモシカの行けるところならほぼ行ける」カモシカ女将が自ら収穫してきたもので、今回は写真中央の左が山ウド、右がハンゴンソウ さっぱりとした味付けでいただきました。

青森のならではのメニューを抜粋してご紹介 山菜の間にあるのは下北のアンコウのともあえ、下部、左からつぶ貝・にしんの切込・イカ寿司、その隣のお吸い物はマツモとホタテ

素材本来のそのままの美味しさを味わってほしいという女将の願いにより、シンプルな味付けで提供されるお料理の数々。

丁寧な下拵えと、この地の山の幸、津軽海峡に面している大畑の海の幸の豊かさを感じる、身体の内側から回復していくことを実感する大満足のお料理たちでした。

ちなみに朝ごはんも山菜やタコの頭にしじみの味噌汁など、食べて健康になれるしみじみ美味しいラインナップ。女将が仕上げてくれるメニューもあり、目の前で美味しそうになっていくわらびの卵とじ、さながらライブキッチンです。

大満足の夕食の後は、各部屋のお食事の片付けや寝床の準備を終え、一息ついた女将とお話をさせていただきました。旅館に着いた時はいわゆる「おもてなし」が過剰すぎるような印象ではなく、丁寧でいながらさっぱりとした接し方をされる方という印象でしたが、ここからそのイメージが変わっていきます。

薬研荘に足を踏み入れてからというもの、廊下やお部屋、お風呂の隅々に至るまで、あまりの丁寧な手入れにただただ驚かされるばかりでした。また、夕食でいただいた海の幸・山の幸も、どれも丹精込めて下拵えがされており、女将の随所への気遣いとおもてなしの心を感じずにはいられません。一体どのような意識でこの宿を運営されているのか、気になって尋ねてみました。

「お客さんをおもてなしするという意識はあまりないかな。最初こそ丁寧に簡潔に説明はするけれど、ご飯時頃になると言葉もくだけてくるしね。お金をいただく以上、一生懸命やるのは当たり前。それがお客さんにも伝わるんじゃないかな。なんでリピーターが多いのかは、私にもわからないんだけどね」

そう笑う女将ですが、館内の清掃について伺うと、その表情は真剣そのものです。

「掃除は自己満足なの。天井から壁から、ひたすら雑巾で拭く。誰に見られてなくても、気づかれなくても、自分はここまでちゃんとやったっていう自信になるから」

そのストイックな姿勢は、山菜採りにも表れているといいます。山に入れば、次にどこの何を採るかだけを考えて前しか見ていない、という集中力の凄さ。ちなみに本気で山に入る時のスタイルは「地下足袋」なのだとか。

愛用の地下足袋を紹介してくれた女将

山菜採りスタイルの女将

例年、11月中旬から4月下旬まで休業されている薬研荘ですが、その間、女将はどのような過ごし方をされているのでしょうか。

「2000年頃は、PCを本格的に勉強し始めた時期だったの。自分でWEBサイトを作りたいと思ってね。冬の間に勉強して、一から自分で作り上げた。今の仕事はPCがなければできない」

さらりとおっしゃいますが、薬研荘の公式サイトは、ブラウザ版とスマホ版でデザインを変えるといったこだわりよう。そんな女将の最近の冬の過ごし方は、なんと漫画喫茶に泊まり込んで漫画を読むこと。大好きな『転生したらスライムだった件』については、漫画だけでは飽き足らず、小説版も読破してしまったという熱中ぶりです。

予想の斜め上の過ごし方と好きな作品で思わず声を出してしまった私ですが、女将はここでは止まりません。

あんなに手入れされた旅館を管理・運営しているのに、苦手なことは整理整頓。

あの繊細なきのこ鍋をみんなに食べさせてくれる女将の好きな食べ物はジャンクフード。最近は某コンビニのフライドポテトにどハマりし、一気に5個買うこともあるのだそうです。

もう書ききれませんが、女将のギャップの応酬が続き、話が弾み、盛り上がりすぎて時刻は気付けば22時半。約2時間もおしゃべりをしてしまいました。

このようにお客さんと盛り上がって話し込んでしまうのもよくあり、悩み相談も多いとのこと。確かにリピーター命名“薬研の姉御”には安心していろいろと話をしてしまう、安心感と包容力がありました。

二足のわらじというか地下足袋というか、山菜採りスキルとITスキルをもつ、御歳72歳の「カモシカ」女将。おまけに訪れた人を心身ともに回復させ、リピーターにしてしまうスキルまであるなんて、要素が多すぎて大渋滞のため、一旦薬研渓流で深呼吸が必要です。


薬研荘のおかげで、しっかりリトリートが完了した私。翌日は前日の3時間の散策なんてなかったかのように、女将の癒しスポットをおかわり散策し、デトックスとリトリートの交互浴によって、すっかり元気になったのでした。

ぜひ実際に泊まって女将本人から詳しく癒しスポット情報を聞いてみてください

ちなみに女将の薬研以外の下北おすすめスポットは下北ジオパークでもあり、特に干潮がおすすめだという「ちぢり浜」、赤ちゃん寒立馬(かんだちめ)が生まれると見に行くという東通村の「尻屋崎」とのことですよ。

新緑も紅葉も美しい薬研渓流。ぜひ皆さんも、ここ下北半島で、薬研渓流で、薬研荘で、デトックスとリトリート、自分をだいじにしていきましょう!


byらば

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