太宰治コンセプトルームで作品の世界観に浸るひとときを【大鰐町 ヤマニ仙遊館】

太宰治コンセプトルームで作品の世界観に浸るひとときを【大鰐町 ヤマニ仙遊館】

今年も厳しい冬が終わり、青森もようやく春めいてきましたね。

芦野公園の桜で有名な五所川原市金木町出身の作家といえば、そう、太宰治。

『人間失格』『斜陽』『走れメロス』などの代表作で知られる太宰治は、人間の弱さや孤独、葛藤を赤裸々に描く作風で今もなお多くの読者に読み継がれており、日本の近代文学を代表する作家の一人です。


1.作品の世界を表現した「太宰治コンセプトルーム」

そんな太宰が旧制弘前高等学校在学中の昭和4年(1929年)、20歳の頃に療養のため母と数日間滞在したとされるのが、大鰐町の老舗旅館「ヤマニ仙遊館」です。明治5年(1872年)創業の同館は、本館と土蔵が国登録有形文化財に登録されており、太宰治のほか、依田学海や後藤新平、大町佳月、葛西善蔵など多くの著名人や文人が滞在した歴史ある旅館です。

ヤマニ仙遊館では昨年12月、太宰が滞在した可能性がある2室「菊の間」と「藤の間」を、太宰作品の世界観が感じられるコンセプトルームに改装しました。各部屋は小説『津軽』に登場する風景をコンセプトに、芦野公園の春や弘前城の桜をモチーフとした襖絵、光が差すと岩木山が浮かび上がる障子などが設えられ、作品の世界観を楽しめる工夫が随所に感じられます。

春の芦野公園と金木町からみた岩木山を表現した「菊の間」

弘前城の桜と弘前市からみた岩木山を表現した「藤の間」

太宰マント(藤の間)


2.土蔵レストランでいただく地元ならではの夕食

夕食は敷地内の土蔵をリノベーションしたレストランで、地元食材を使った創作料理がいただけます。店内は、蔵に眠っていた古民具がインテリアに生かされ、伝統とモダンが共存する洗練された雰囲気です。

この日のメニューは、りんごを食べて育った津軽鶏の前菜をはじめ、大鰐町の名産品「大鰐温泉もやし」を使ったお鍋、青森県産にんにくをソースに使用した鴨のローストなどなど。県内の日本酒やワインといった青森ならではの飲み物も一緒に楽しめて、随所に宿のおもてなしが感じられる美味しいひとときが過ごせます。


3.大正ロマンの雰囲気感じる源泉かけ流し風呂

大鰐町に湧く温泉「大鰐温泉」は、約800年以上前、唐僧 円智上人が高伯寺(現 大円寺)を建立中、病に伏した際に「この地に温泉あり」とのお告げを受けたことにより発見されました。大鰐温泉の源泉はヤマニ仙遊館でも楽しめますが、創業150年の節目にリニューアルした浴場内は、和製マジョリカタイルを敷き詰めた浴槽に色ガラスが美しく、大正ロマンの雰囲気が感じられます。

泉質は無色透明のナトリウム・カルシウム‐塩化物泉で、刺激が少なく入りやすいうえ、塩分を含むために保温効果が高く、湯冷めしにくいのが特徴です。

写真は全て女風呂(特別に許可をいただいて撮影しています)


4.朝食は庭園を眺めながら「津軽のカッチャおかず」を

朝は旅館内の大広間で、庭園を眺めながら「津軽のカッチャおかず」を朝食にいただきます。「カッチャ」は津軽弁で「お母さん」のことで、地元のお母さんが作るようなおかずを楽しめる朝食セットになっています。温泉熱で育った大鰐温泉もやしなど、地元食材を生かしたおかずが並び、目の前に広がる庭園を眺めながらゆったりとした朝が過ごせます。


5.おわりに

大鰐温泉を楽しめる歴史ある旅館として、明治期の趣を残しながら、これまで多くの人々をもてなしてきたヤマニ仙遊館。太宰治が滞在したとされる部屋はコンセプトルームへと進化し、元ねぷた師で水墨画家の村元芳遠さん(黒石市出身)が描く襖絵に、第5代当主が手作りした岩木山のシルエットが浮かぶ障子など、こだわりが詰まった空間で太宰作品の世界観が存分に感じられます。

この春はヤマニ仙遊館の太宰治コンセプトルームで、地元ならではの食事や雰囲気満点の温泉とともに、太宰とその作品に思いを馳せる静かで贅沢な時間を過ごしてみてはいかがでしょうか。

小説は私物の太宰治『津軽』です

by ちゅる子

ヤマニ仙遊館


青森県南津軽郡大鰐町蔵館村岡47−1

0172-48-3171 


公式HP

https://senyukan.com/

※太宰治コンセプトルームの詳細は、公式HPトップの右上「宿へ直接予約」をクリックし、各プランのお部屋一覧からご確認ください。

掲載されている内容は取材当時の情報です。メニュー、料金、営業日など変更になっている可能性がありますので、最新の情報は店舗等に直接お問合せください。

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