『冬の青森で鉄道旅 〜青い森鉄道で駅そば三昧!〜』


こんにちは、やすこーんです。
「冬の青森で鉄道旅」第2回は、「青い森鉄道」で巡る「駅そばの旅」に出かけましょう。
青い森鉄道線は、青森〜目時間の121.9kmを結ぶ、第三セクターの鉄道。そして沿線で駅そばがある駅は、現在3か所です。

青森駅から青い森鉄道に乗って出発です。朝なので車両は学生さんたちでいっぱい。彼らは途中の駅で、一気に降りて行きました。旅とは、人の生活の場におじゃますることなのだ……とつくづく感じます。
その後、浅虫温泉あたりで左手に海が見えてきます。列車に乗っていて、海や川など水場を見つけると、なぜかテンションが上がりますよね。

そして野辺地駅で下車。野辺地駅のホーム西側、2kmにわたる約700本の杉林は、日本最古の「鉄道防雪林」として、鉄道記念物に指定されています。ホームにも大きく看板があるのを見たことがある方は多いはず。これによって、雪害から線路が守られているのです。

野辺地駅にある駅そば店は「駅そばパクパク」。パクパク、というネーミングがかわいいです。ここは営業時間が8時半〜14時と短いので、巡るなら真っ先に行った方がよいでしょう。
昨年来た時は「三食そば」を、お店の前の椅子に座っていただきました。今回は何にしよう……と迷っていたら「今の季節限定の鍋焼きうどんがオススメです!」と後ろから声が。
振り返ると野辺地駅の長渕駅長でした。初対面ですが、名物駅長との噂を聞いていたので、はじめましての気がしません。さっそく「ホームで食べたいのですが」と伝えます。

実は野辺地駅、お店の前のスペースだけでなく、ホームに出て駅そばを食べることもできます。やはり駅そばはホームで食べないと、という方にはぴったりのサービス。
フリーきっぷなどを持っていればホームには出入り自由ですが、入場券を買うと、駅長の長渕さんお手製の消しゴムはんこで「そば」という文字をペタリと押してもらえます。ガタイの良い長渕さんが、小さな消しゴムはんこを、せっせと掘られていたのかと想像すると微笑ましいです。

鍋焼きうどんはちょっと時間がかかります。急いでいる人にはおすすめしません。とはいっても鉄道で移動しているのであれば、次の便までたいてい時間があるので大丈夫でしょう。
出てきた鍋焼きうどんは、あっちあち! 蓋を取った途端、湯気がほわあっ。寒い日ほど湯気がよく見えます。
甘いおあげに、黄身がトロリの卵、ネギ、かまぼこ、ごぼうたっぷりの野菜天ぷら。うどんをフーフーしつつ、いただきます。ああ、体の中から温まる〜。まさに冬にぴったりのメニューです。

今回、こちらで売られている「鳥めし」を予約して買おうとしたのですが、土日しか販売しておらず、この日は平日で買えませんでした……。昨年来た時は、目の前で最後の一個を買われてしまったんですよね。
でもそのおかげで「またリベンジに来なければ!」と足を運ぶことになるので、何度も旅しに来る理由ができます。何度も通ううちに、その土地の人とも仲良くなり、さらに何度も行くことになる。そういう余裕のある旅を、いつもしていたいと思うのです。

列車が来るまであと10分。とここで、駅長にサイン色紙を頼まれました。えー、もっと早く言って! と思いつつ、なんとか描ききりました。結局列車に乗るのはバタバタで、ギリギリセーフでした。余裕のある旅はどこへ。
色紙は火野正平さんが全国を自転車で旅した際に持ち歩いた、モーリーの横に飾られています。行かれた方はぜひご覧ください。あ、モーリーとは、青い森鉄道のイメージキャラクターです。

お世話になった長渕駅長とお別れし、再び列車で移動。車内にはアテンダントさんがいました。車内での案内業務と兼任で、車内販売をされているようです。普通列車なのに、車内販売をしているなんて、全国的にもめずらしい。しかもいつもいるわけではなく、一日のうち数本のみだそう。青い森鉄道には何度も乗車していますが、初めて出会いました。

せっかくなので、先程、火野正平さんが付けていたものと同じ、モーリーのマスコットを買いました。車内で買うと、特製シールがもらえます。うれしい。私もこれから旅に行くときは、このモーリーを持ち歩こうかな。

三沢駅に向かいます。三沢駅の「とうてつそば」は、かつて十和田観光電鉄の駅舎内にありました。大変趣のある駅舎でしたが、2012年に駅・路線ともに廃止されました。
新しい駅舎に移転してからも、すでに何回か行っていますが、その味は昔と変わらず守られています。

以前の三沢駅時代から毎回食べているのは、山菜、天ぷら、生卵が入った「スペシャルそば」。今回は別のものにしようかと迷っていたところ、新しい駅舎になってから誕生した新メニュー「駅そばラーメン」(おにぎり付き)をお店の方に勧められました。

「とうてつそば」の出汁は、本当においしい。そのそばの出汁に、中華麺を合わせたのが「駅そばラーメン」です。最近、全国的にも山形県の「鳥中華」のような、蕎麦の出汁に中華麺を合わせる、というメニューが定番化しつつありますね。
このメニューは、新しい駅舎で新しいものを作ろう、ということから考案されたそうです。おにぎりが付いているのは、麺だけだとボリュームが足りないかも、という優しさから。シンプルな塩むすびかと思ったら、中に梅干しが。出汁を飲みつつ、おにぎりもおいしくて、ペロリと食べてしまいました。

だいぶお腹いっぱいになったので、最後の1軒に行く前に、腹ごなしにお散歩しましょう。というわけで、三戸駅に向かいます。

前回、青森生まれと書きましたが、私が生まれたのはここ、三戸。10年ほど前、昔の住所を頼りに町役場などで現在の地図と照らし合わせ、その場所に行ってみたことがあります。借家だったのですが、なんとまだ家がありました。
感動して、親にその場で電話したら「隣の家に◯◯さんて方が住んでいたんだけど、大変よくしてもらったので、お礼を伝えてほしい」と無茶を言われました。何十年前のことだと思っているのか。もう住まわれてないだろう、と表札を見たら、その方のお名前が……!
かなり悩んでインターフォンを押しましたが、どなたも出て来ず。ちょっとホッとしたりして……そんな昔のことを覚えてくれているのならよいのですが、そうでなければ不審者になるところでした。

三戸駅から徒歩15分ほど、アップルドームにやってきました。三戸町といえば、絵本作家の馬場のぼるさんの出身地としても有名。絵本「11ぴきのねこ」は、私も小さい頃に何度も読みました。
こちらでは、無料で「11ぴきのねこ」などの展示などを見ることができます。

さらに街中を歩きます。「11ぴきのねこ」の石像が13か所に点在しているので、それを探すのも楽しいし、「てんぽせんべい」と呼ばれる、南部せんべいの半生タイプをその場で買って、食べ歩くのも楽しいです。
「道の駅 さんのへ」にある「サンサン産直ひろば」では、ご当地ならではの食材やお土産がたくさん。こちらの食堂の「ひっつみ汁」が気になりましたが、腹ごなしに来ているので我慢。なんて思っていたら、後日、知り合いから「あの食堂、めちゃおすすめだよ」と言われました。また「来なければ案件」が増えてしまった……。

さて、そろそろお腹もこなれてきたので、3軒めの駅そばを食べに行きましょう。青い森鉄道で八戸駅に移動します。駅そば「はやて」はJR側の八戸駅改札すぐ横にありました。

こちらで食べたのは「三陸磯のりそば」。そういえば、野辺地ではうどん、三沢ではラーメンだったので、初めておそばを食べます。駅そばを紹介すると言いつつ、つい自分が食べたいものを食べていました……。

「三陸磯のりそば」は、出された途端、のりの香りがふわっと。かつおベースの醤油出汁は、少し甘いけど甘すぎず。やわらかめの麺に、ホタテ3つ、かまぼこ、ネギがのっています。ホタテは旨みがしっかりあっておいしい。磯ノリは食べるうちに出汁に溶けていき、後味がさわやかでよかったです。

というわけで、私はそのまま八戸駅から新幹線で東京に帰ります。なんと今日一日の行程は、東京から日帰りが可能。とはいえ今度来る時は、浅虫温泉に泊まってゆっくりしたいな〜と思っています。
なんといっても、冬の寒い中に食べる駅そばは格別でした。ぜひこちらを参考に、駅そば巡りをしてみてくださいね。
byやすこーん
【プロフィール】
青森県出身。漫画家&文筆家。駅弁・駅そば・温泉・お酒を楽しむ鉄道ひとり旅が好き。食べた駅弁の数は2600個以上。著書に「ひとりで楽しむ鉄道旅 駅弁めぐり篇」(玄光社)、「イラストで読む!鉄道知識と旅の基本 鉄道イロハ」 (イカロス出版)ほか。「旅行読売」で「猫に駅弁」連載中。HP→yascorn.com
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