遊郭の雰囲気残る、黒石市の「中村旅館」

遊郭の雰囲気残る、黒石市の「中村旅館」

青森県黒石市のこみせ通りの一本裏手にある、浦町の通り。
「津軽こみせ駅」の方から、こちらに昔の遊郭の雰囲気がプンプン残る
街中で唯一の旅館があると聞き、さっそく探検に行ってきました。

遊郭の雰囲気残る、黒石市の「中村旅館」

中村旅館は、明治9年に遊郭「かねまる」として創業し、
昭和33年頃に旅館になりました。
御年76歳の中村麗子さんいわく、
旅館の前の通りは、当時、商家に来るお客様で賑わう遊郭街で、
通りの入口には大きな施錠式の門があり、現在のこみせ通りのように
歩道に屋根がかかっていたとのこと。

遊郭の雰囲気残る、黒石市の「中村旅館」

歴史を感じる木造の門をくぐり、玄関を開けると、
目の前にドーンと迫力のある赤い漆塗の階段があります。

遊郭の雰囲気残る、黒石市の「中村旅館」

漆がすり減った手摺はとても低く、理由ははっきりと分からないのですが、
一説には、遊女がここに並んでお客様を出迎える顔見せの場所だったともいわれています。

遊郭の雰囲気残る、黒石市の「中村旅館」

遊郭の雰囲気残る、黒石市の「中村旅館」

この階段を上ると、天井に木材が複雑に入り組んで造られた屋根のようなものがあります。
中村さんも、当初は増築したためと思っていたようなのですが、
以前、宿泊した元遊郭の建物を研究している大学の教授いわく、
位の高い方を通す部屋側の天井を高くするためのデザインなのだとか。
最も位の高い方のお部屋は天井が高くて広く、床の間もありました(宿泊可)。

遊郭の雰囲気残る、黒石市の「中村旅館」

廊下の手摺の欄干は、こけしのような造作がこらされていますが、
以前はこの部分は金属でした。
戦時中の金属供出によりなくなり、木造にしたのでした。
他にも、個性的な形をした釘隠しが施されていたり、
(中村さんも何の模様か分からないとのこと)

遊郭の雰囲気残る、黒石市の「中村旅館」

玄関の外に、なぜか洋風の扉が1つ残っていたり。
中村さんのお話を聞きながら隅々まで見せていただきましたが、
遊郭が栄えた当時にタイムスリップしたようで、
終始ワクワクした気分でした。

遊郭の雰囲気残る、黒石市の「中村旅館」

優しい物腰で終始笑顔の中村さんもとっても素敵です。
当時の写真はないかも?とお話していましたが、
こみせ通りの一本裏手にあった遊郭街、とても気になります。
何か当時の様子についてご存知の方いらっしゃいましたら教えてくださーい(^^)>

by o-rin

中村旅館
住所:黒石市浦町1-33
電話:0172-52-2726

掲載されている内容は取材当時の情報です。メニュー、料金、営業日など変更になっている可能性がありますので、最新の情報は店舗等に直接お問合せください。

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